Daily Music講師の柴垣健一です。クラシックを主に担当しています。
10分レッスンでは子ども向けのレッスンも行っています。「子どもがピアノレッスンを受けるメリット」については恐らく様々なところで語られていると思いますが、今回は私の視点から、日頃のレッスンで実感していることをまとめてみようと思います。
【メリット①】練習が必須、だからこそ練習の成果を感じられる
子供にとって、ピアノという楽器は難しいです。大人でも苦労する「楽譜」を読むことや、小さな手で大人と同じ鍵盤を弾くこと、しかもそれを両手でやること、などなど高いハードルがいくつもあります。
もちろんレッスンではそれらを分解したり、興味に合わせて課題を選んだりしながら、子どもが理解しやすいようなアプローチを考えます。10分レッスンでは特に、課題を細かいトピックに分けて行います。一つ一つに集中することで子どもも取り組みやすくなっています。
とはいえ、最終的にはそれらを一度の演奏で実現しなければなりません。そのためには少なからず努力が必要です。
つまり努力なしにピアノを習得することは難しい、ということです。しかし、それは裏を返せば「習得できたことは常に、努力の証」でもあるわけです。
努力しなくてもできてしまうことよりも、「努力→習得」というプロセスを手応えを持って実感できるピアノのような難しいものの方が、子どもにとって努力の成果を感じやすいと思います。
【メリット②】主体的に物事に取り組む習慣が身につく
学校の勉強や、水泳、野球、サッカーなどは集団の中で何かを学んでいくものです。
対して、ピアノのレッスンは先生とマンツーマンです。また、家で練習をするときにはピアノとのマンツーマンです。
この「個人で取り組む」というピアノの特性は、「自分の成長のために」なにかに集中したり、習得に向けて方法を考えたり、継続して努力したりする習慣を身につけるために有効です。
「集団の学び」にももちろん重要な要素がたくさんあると思いますが(例えば他者と協働するような機会はピアノの個人レッスンにはあまりないかもしれません)、集団の学びは良くも悪くも、自分の成長とは関係なく集団に合わせて自動的に進行していくようなこともあると思います。
対してピアノのような「個人の学び」は、自分の努力とその成果がそのままレッスンの進行に反映されます。それは一見厳しいようですが、逆にいえば自分に合ったペースで取り組めるということです。そして周りとの優劣ではない「自分なりの成功」を実感することができるということです。そうした体験を通して「自分の成長のために、自分で頑張る」という主体的な取り組みの習慣を身につけることができます。
【メリット③】音楽を通して感性が耕される
これはありきたりなトピックですが、とてもとても重要なことです。
最近「感性」というものについて考えますが、自分の中でそれは「何かを見たり聞いたりした時の、自分の心の動き」だと考えています。当たり前のことだと思われるかもしれませんが、現代社会においてはこの「感性」が置いてけぼりになっていると感じます。
慌ただしい日常の中でふと立ち止まって「今自分が感じていること」を見つめ直すことは、人生を豊かにすると思います。個人的には、日々のいろいろな場面で「何かを感じる」ときにこそ、生きていることを実感します。
子どものピアノレッスンをする時には、子どもの「感性」を何よりも大切にしています。
子どもがレッスンの中で少しでも「興味を持っている」「集中している」ようなときは、子どもの心が動いている証拠だと思います。そういった心の動きを、なんとなくやり過ごすのでなく、講師の側で言語化をしてあげたり、共感してあげることを通して、その心の動きを子どもの中で大切なものとして取っておいて欲しいなと考えています。
普段の生活の中で常に「子どもが感じていること」と向き合うことは難しいかもしれませんが、だからこそそれを尊重してあげられるピアノのレッスンの時間というのは意義があると思います。
まとめ
以上です!
子どものレッスンをする際には、今回紹介したようなメリットを実感してもらうために様々な試行錯誤をしています。(少しでも感じてもらえた時は心の中でガッツポーズという感じです)
世の中には様々な習い事がありますが、ピアノに興味のあるお子さんがいらしたら是非レッスンを受講してみて欲しいと思います。
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