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子どもが「集中して演奏する」ために

5 時間前
読了時間: 5分

Daily10Music 講師の柴垣です。主にクラシックを担当しています。


レッスンをする中で「集中力」がテーマになることがあります。


例えばお子さんのレッスンで、演奏中どこかボーッとしていて、なかなか集中することが難しい場面などがあります。


どうしたら「集中して演奏する」ことができるのでしょうか。そもそも「集中して演奏する」というのはどういうことなのでしょうか。


今回は「集中」について、特にお子さんのレッスンを通して考えたこと、レッスンで意識していることを書かせていただけたらと思います。




「何に集中するのか」を具体的に


集中して演奏をするためには、どんなことが必要なのでしょうか。


本人の「やる気」や、<演奏中は集中しなければならない> という認識でしょうか。


いずれも大切なものだと思いますが、私はそれに加えて「集中する対象」が必要なのではないかと思います。


集中することが難しい子どもにとって、「集中して!」という指示は実は曖昧に聞こえるのかもしれません。


「何に集中すればいいのか」


がわからなければ、集中することは難しいです。逆に言うと、「集中する対象」が明確になるだけで、集中して取り組めるようになることも多いように思います。




演奏で集中する対象とは


では、演奏するときの「集中する対象」には、具体的にどんなものがあるのでしょうか。


私は、「意識的に気をつけること」と「土台として感じること」の2つに整理して考えています。


「意識的に気をつけること」というのは、「この音は大きく」とか、「ここからだんだんゆっくりしていく」とか、その曲、その場面ごとの留意事項のようなものです。


レッスンでは多くの場合、曲への取り組みが進むにつれて、本人のアイデアや先生からのアドバイスが、こうした留意事項として溜まっていきます。そういったものを一つひとつ意識しながら演奏することが、集中した演奏につながることはあると思います。



そしてもう一方の「土台として感じること」についてですが、私はこちらがとても重要で、また見落としやすいものなのではないかと思っています。


具体的には、「テンポや拍を感じること」「ハーモニーの移り変わりを感じること」「フレーズの流れを感じること」などです。


これらは、曲の特定の場所だけで必要になるものではありません。基本的には、演奏している間ずっと音楽の中に存在している要素を、感じ取る力です。この力が常に働くことが、集中した演奏の土台になるのではないかと考えています。


これらの感覚は、演奏中ずっと「テンポを感じよう」「ハーモニーを聴こう」「フレーズを考えよう」と、一つひとつを明確に意識し続けるようなものではありません。


「意識する」というよりは感覚として身につくことが大切で、ある程度身についてくると、意識のバックグラウンドで自然に働くような感覚なのではないかと思います。


日常で例えると、街を歩いているとき、「前から人が来たらぶつからないようにしよう」と、そのことを常に意識的に考えているわけではありません。ほぼ無意識に、周囲の人や障害物にぶつからないように自然に歩くことができると思います。


それと同じように、演奏中にテンポや拍を感じたり、ハーモニーの変化を感じたり、フレーズの流れを感じたりすることは、意識の前面に出ていなくても、背景で感覚的に働くものなのだと思います。


そうした感覚が土台のように敷かれることで始めて、その上に「ここはこんなふうにテンポを揺らしてみよう」とか「このハーモニーに向かって盛り上げていこう」などといった「意識的に気をつけること」を乗っけることができるのではないでしょうか。





「土台としての感覚」を育むために


もちろん、テンポ、ハーモニー、フレーズなどを感覚的に感じとるということは、「気をつけよう」と思ってすぐにできるものではありません。


しかしそういった力は、人にぶつからないように歩けるようになることと同じように、習慣やトレーニングによって身につけていくことができると思います。


例えばレッスンの中で、講師によるハーモニーを補った演奏を聴くと和声感を持って演奏することができたり、リズム課題に取り組んでから曲に取り組むことで、テンポ感を持った演奏ができたりする、ということは実際にあります。Daily10music のレッスンでも、講師による演奏の見本や、リズム課題、ソルフェージュなどの補助教材の活用などを通して、そのような力を育むレッスンを日々行なっています。


そういった経験の積み重ねを通して少しずつ「土台となる感覚」が育っていき、その感覚をベースとして「集中した演奏」ができるようになっていくのではないでしょうか。




まとめ


今回は「集中」について書かせていただきました。


子どもにとって「演奏に集中する」ということは、はじめは難しいものだと思います。ですが、「何に集中するのか」を具体的に示してあげることや、「集中の土台」を少しずつ育んでいくことで、段々とできるようになっていく、あるいは、「自ずと」集中した演奏になっていくものなのではないかと思います。


なので、もしお子さんの集中力に悩まれている方がいらっしゃったら、どうか焦らず、長い目でお子さんの成長を見守っていただけたらと思います。

 
 
 

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